GPT-5プロンプト設計で配慮すべき7つのポイント

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こんにちは、JS2IIUです。
GPT-5の能力を最大限に引き出すためには、従来のGPT-4.1などと比べてプロンプト設計においていくつかの新しい配慮が必要です。本記事では、OpenAI公式のGPT-5 prompting guideを参考に、ユーザーが意識すべきポイントを7つに整理して解説します。今回もよろしくお願いします。

1. エージェント的行動(Agentic Eagerness)の制御

GPT-5はデフォルトで非常に積極的に文脈収集やツール呼び出しを行い、正確な答えを出そうとします。過剰な探索や遅延が発生しやすいため、reasoning_effortパラメータを下げたり、探索範囲や深さ、早期終了条件、最大ツール呼び出し回数などをプロンプトで明示することが重要です。「完全でなくても良いので早く答える」旨を明記するのも有効です。これらを怠ると、不要なツール呼び出しや探索が増え、応答が遅くなります。

プロンプト例

特に探索時間が長くなりすぎないようにするために、以下のような文言をプロンプトに追加して調整を図ります。

  • 探索は最小限にとどめ、2回までのツール呼び出しで最も妥当な答えを出してください。
  • 正確性よりも応答速度を優先し、十分な情報が揃った時点で早めに結論を出してください。
  • 必要以上に深掘りせず、70%以上の情報が揃ったら作業を完了してください。

2. 指示の一貫性・明確性

GPT-5は指示への忠実度が高く、矛盾や曖昧な指示があると余計な推論や探索を行い、パフォーマンスが低下します。矛盾や曖昧さのない明確な指示を与え、複数人でプロンプトを編集する場合はレビューを徹底しましょう。これを怠ると、モデルが指示の解釈に多くのリソースを割き、期待通りの出力が得られなくなります。

プロンプト例

  • 以下の手順に従い、矛盾なく一貫した方法でタスクを実行してください。
  • 曖昧な点があれば推測せず、明確な指示がある部分のみを実行してください。
  • 複数の指示がある場合は、優先順位を明示し、最も重要なものから順に対応してください。

別の視点で、そもそものプロンプトの中に矛盾がないかをGPT-5に確かめさせるのも効果的であると思われます。

3. ツールプリンブル(Tool Preambles)の活用

GPT-5はツール呼び出し前に計画や進捗を説明する「プリアンブル」メッセージを出せます。プロンプトで「最初にゴールの再確認」「計画の提示」「進捗の逐次報告」を明示的に指示し、必要に応じてプリアンブルの頻度や詳細度も指定しましょう。これを怠ると、モデルの行動意図が不明瞭になり、ユーザーが状況を把握しづらくなります。

プロンプト例

GPT-5では探索が深い分、応答生成までに時間がかかることがあります。以下のプロンプトを追加することで、ユーザー体験を向上させることができます。

  • 作業開始前に、ゴールと作業計画を簡潔に説明してください。
  • 各ツール呼び出しの前後で、何をするか・何を得たかを一文で報告してください。
  • 最初に全体の流れを説明し、進捗ごとに簡単な状況報告を挟んでください。

4. reasoning_effortとverbosityパラメータの調整

GPT-5は推論の深さ(reasoning_effort)と出力の長さ(verbosity)を個別に制御できます。タスクの難易度や応答速度要件に応じてパラメータを調整し、コード生成時は「コード部分のみ高verbosity」など細かく指定しましょう。これを怠ると、冗長な出力や説明不足な出力になりやすく、レイテンシやコストが増大します。

プロンプト例

  • reasoning_effortlowverbositymediumで出力してください。
  • コード部分は詳細なコメント付きで出力し、説明文は簡潔にまとめてください。
  • 複雑なタスクの場合のみreasoning_efforthighに設定し、それ以外はmediumでお願いします。

5. レスポンスAPIや履歴活用

GPT-5では、Responses APIを活用することで、過去の推論やツール呼び出しの履歴を効率的に引き継ぎながらタスクを進めることができます。従来のモデルでは、ツール呼び出しや複数ターンにまたがるタスクのたびに毎回ゼロから文脈を再構築する必要があり、トークン消費やレイテンシの増大、推論の一貫性低下といった課題がありました。

Responses APIでは、previous_response_idを指定することで、直前の推論やツール実行の結果・思考過程をそのまま次のリクエストに引き継ぐことができます。これにより、モデルは過去の思考や判断を踏まえて効率的に次のアクションを選択でき、無駄な再推論や重複作業を大幅に削減できます。

この仕組みを活用することで、長いタスクや複雑なエージェントフローでも、途中で文脈が途切れることなく、より自然で一貫性のある応答が得られます。また、コストや応答速度の面でも大きなメリットがあります。

プロンプト例

  • 前回の推論結果(previous_response_id)を必ず参照して、無駄な再推論を避けてください。
  • 履歴を活用し、同じ内容の再説明や重複作業を行わないようにしてください。
  • 過去のやりとりを踏まえて、必要な部分だけを追加で推論してください。

6. Markdownや出力フォーマットの明示

GPT-5はデフォルトでMarkdownを使わないため、必要な場合は明示的に指示が必要です。Markdown利用箇所やルールをプロンプトで明示し、長い会話では定期的にMarkdown指示をリマインドしましょう。これを怠ると、出力がMarkdownで返ってこない、または一貫性がなくなることがあります。

プロンプト例

  • 回答は必ずMarkdown形式で、見出し・リスト・コードブロックを適切に使ってください。
  • ファイル名や関数名はバッククォートで囲み、表やリストもMarkdownで記述してください。
  • 長い会話では3回ごとにMarkdown形式での出力を再度指示してください。

7. メタプロンプティングの活用

GPT-5自身にプロンプト改善案を尋ねることで、より良いプロンプト設計が可能です。「このプロンプトをどう改善すべきか」などをGPT-5自身に質問することで、プロンプト改善の機会を逃さず、最適な挙動を引き出せます。

プロンプト例

  • このプロンプトをより良くするための改善案を3つ挙げてください。
  • 期待する出力が得られない場合、どの部分を修正すればよいか理由とともに提案してください。
  • このプロンプトの弱点や曖昧な点を指摘し、具体的な修正例を示してください。

参考

最後まで読んでいただきありがとうございます。
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